SIer若手の仕事内容 -要件定義できると思ってる?-
本記事のテーマ
前回は、SE(システムエンジニア)にとって最低限必要なスキル3選を紹介しました。
今回は・・・
大手SIerで2年間働き、若手の仕事内容についてある程度把握できたので情報を共有したいと思います。
SIerのインターンに行くと、毎回要件定義をやった記憶が僕にはあります。
さて、本当に要件定義はできるのか?
目次
記事の対象者
- SIerに興味のある人
- SEに興味のある人
- 上流工程(要件定義)をやりたい人
大学生が想像しているSIer若手の仕事内容について
就活生が思っている仕事内容についてお話して行こうと思います。
大学生が思っているSIerのお仕事はおそらくこんな感じだと思います。
↓↓↓↓↓↓
お客さんがいて、お客さんがどんな悩みを抱えているか、そしてお客さん要望がある。
その悩みなどを聞いたうえでどのようなシステムをSierが提供・提案する 要件定義と言われるようなところを想像していると思います。
お客さん悩みを聞いて適切なシステムを提案することからコンサル的なイメージを持っている人もいるんじゃないでしょうか。
僕自身も少しコンサル的な要素もあるんじゃないのかなと当時思っていて、
“SIerの仕事ってかっこいいかも”
と就活生時代、大学生時代は思っていました。
そして SIerのインターンシップに行くとだいたい要件定義をやると思います。
必ずと言っていいほど要件定義のインターンシップ。
「お客さんがこんな悩みを抱えています。この悩みを解決するためにはあなたはどうしますか?」
というようなインターンシップ。
それでグループで話し合ってどんなシステムを構築して提案していくかのようなインターンシップをやると思います。
僕自身もそんなインターンシップをたくさん受けて、
“また要件定義かよ”
って思ってました(笑)
だから、インターンシップに行くと要件定義ばかりやって
「SIerってこういう提案するお仕事なんだろうなー」
って思う人って恐らく多くいるはずだと思うんですね。
それも間違いではないんですけど 実際は少し違うよ
っていうことを今回ご紹介できたらいいなと思っています。
実際のSIer若手の仕事について
要件定義っていうところは確かに年次が上がっていけば、するようなお仕事なります。
若手のうちから要件定義とか上流工程のところをやるっていうのは非常に少ないのかなと思っています。
「じゃあどんな仕事をするの?」
っていうのを今から説明していきたいと思います。
結論から言うとほとんどが 開発か保守運用 この2つに分かれると思います 。
最初に「開発」の場合から説明していきたいと思います。
ただ開発といってもSIerは基本的に既存のサービスを組み合わせて納品するようなお仕事なので、
ゴリゴリプログラムを書いて開発するっていうことは結構少ないです。
- 淡々と仕様書通りにプログラムを書く
- 出来上がったプログラムのテストケースの作成
- プログラムのテストを実施
上記をすることが多いと思います。
だからもし
「ゴリゴリプログラム書いて自分の考えを書き起こしたい」
とか自分の考えがあって、もっとこういう風にすればプログラムがよくなるとか考えたい人は自社サービスをある会社に行った方がいいです。
次は「保守運用」についてお話ししていこうと思います。
保守運用の場合もいくつかケースがあるのですが、大きく2つに分けてご説明します。
1.フロント系の保守運用
運用保守っていうのは、システムがもう開発されてそれをお客さんに納品した状態なんですね。
そのシステムを使う人(ユーザ)がいるので、そのシステムユーザの「ヘルプデスク」といったような保守運用があります。
システムユーザが使い方でわからないところがあって、電話がきて、疑問に回答するというのがお仕事の1つです。
また、ヘルプデスクということで
「こんな仕事必要あるのかよ」
って思うかもしれないですが(僕自身も思ってました笑) 結構皆さんがイメージしてるよりシステムの使用方法が難しいことがあります。
Twitter とか Instagram ってすごい直感的で誰でも結構理解しやすいと思います。
しかしInstagramでさえ自分の母親とか父親が使うってなった時に、 Instagram の使い方について聞かれたことってないでしょうか。
そういった感じでシステムを使っている人もシステムの使い方でわからないってことがよくあります。
2.バックエンド系の保守運用
ネットワーク系、サーバーの管理系。
運用しているシステムのサーバーが止まってしまったら、システムが使えなくなってしまいます。
それだとユーザが困るので、サーバーが止まった時に駆けつける運用保守の人もいます。
なぜサーバーが止まってしまったのか原因を突き止めて、一刻も早く修復しないといけません。
そのサーバーを修復しないと、その時間ずっとシステムを使えないことになってしまうのでクレームがきてしまいます。
システムユーザ「なんで今このシステム使えないんだよ」
こういったことは発生しないのが一番いいのですが、システムのエラーって起きちゃうものです。
なのでそういったときに、駆けつけて解決を図るようなこともネットワーク系の運用保守の仕事の1つです。
サーバーのエラーでサーバーが止まってしまったってなると
24時間稼働してないといけないシステムなどもこの世の中にはあるので、深夜でも呼び出されることもあります。
あとは単純にサーバーのバージョンアップとかシステムのバージョンアップとかでも
ユーザが使用していない時間帯にバージョンアップしないといけません。
ユーザが使用している時間にバージョンアップするとなると
一旦システムを止めないといけなかったりもするので、そうなるとその時間システムユーザは使いたくても使えないっていうことになるので不便をかけてしまいます。
だから使わない深夜の時間にバージョンアップをしたりすることが結構多いです。
ネットワーク系だと深夜に作業をするっていうのはちょくちょくあるのかなと同期を見ているとそんな気がします。
あとは単純に運用保守だと客先常駐するケースもあります。 運用保守の話はこんな感じとなります。
若手のうちに身につくスキル
上記を読んで、「保守運用」が嫌だなって思う人って結構いると思います。
僕自身も就活の時に保守運用ってつまらなさそうというイメージを持っていました。
ですが保守運用の業務担当になってしまったんですね(笑)
大手SIerって要件定義をするっていうイメージをしていたので、そのギャップはありました。
ではなぜ、若手のうちに開発とか運用保守をしないといけないかと言うと
その担当するシステムについて詳しく知れる業務っていうのがこの2つなんですね。
「開発」「保守運用」
そのシステムについて詳細に自分が知っていないと、
そもそもお客さんの悩みを解決できるかどうかとか
そのシステムの導入することによってどんなことができるのかってお客さんに説明できないですよね。
だからこの若手のうちに下積みというか、少し泥臭い仕事にはなるんですが
こういった保守運用や開発で地道にシステムについて知識を蓄えることによって
自分が20代後半とか年次を重ねたときにようやく要件定義ができます。
そうすると、
「このシステムではこういうことができます。なのでお客さんの悩みも解決できます。」
「その要望はちょっと無理ですね。このシステムでは解決できません。別のこのシステムを導入したらいいと思います。」
とか提案ができるようになります。
なので最初から自分で提案業務をすることがなかなか出来ないような背景がこういったところにあります。
さて、本題の身につくスキルについて。
◆開発の場合
「開発スキル」か単純に身につくと思います。
プログラミングスキルを身につけることによって、社内でも活躍できますし
仮に転職してもプログラミングスキルがあるからそのアピールもできると思います。
特に、AWS とか Azure とか
有名なシステムが関係する開発業務
をやると、プログラミングスキルと一緒に有名なシステムの知識を蓄えられますのでいいと思います。
AWS とかには資格があるので、資格を取れば、第三者にスキルの証明もしやすい。
◆保守運用の場合
担当する製品について利用方法であったり、どういった使い方をすると効果的な使い方ができるとかに詳しくなるので 将来年齢を重ねた時に、要件定義でこのシステムはこういったことができますよっていうような提案ができるノウハウ的な知識が身につくと思います。
僕的に運用保守で注意した方がいいなって思うのが1つあります。
自分達だけしか利用していない自社システム
である場合です。
そうなるとそのシステムを導入している会社が自分の会社だけ。
つまり社外にはそのシステムを使っている会社はないということになるので
そのシステムについていくら知識を詰め込んだとしても
その知識は転職とか他の企業に行った時に無駄になってしまう。
※そこで学んだノウハウとかは無駄にはなりません
であれば、どんなシステムの運用保守を担当したいいのかっていうと
有名なシステムの運用保守
を担当するといいと思います。
僕自身担当しているシステムがSalesforceという有名なシステムです。
CRM システムの中でナンバーワンのシェアを誇っているサービスです。
Salesforceを導入している会社って沢山あるじゃないですか。
僕の会社でもSalesforceを使っていますし、他の会社でもSalesforceを使用している
例えば自分はSalesforceの運用保守ができますってなった時に、今の会社でなくても他の会社に対してSalesforceの運用保守ができるから、転職もしやすい。
つまり、”汎用性高いスキルが身につく” なので僕がオススメする運用保守とすれば
有名なシステムの運用保守
です。
まとめ
どうしても最初の若手のうちは下流工程を担当することが多くなると思います。
僕は大手SIerに勤めているので、これからも IT 系の話であったり僕自身が感じたことを書いていきますので
ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。